SEとして働いていると、ふとした瞬間に、
「このままSEを続けていていいのだろうか」
と悩むことがあります。
仕事が忙しいとき、思うように評価されないとき、将来のキャリアが見えないときなど、ふと不安になることがあります。周りの友人が転職したり、年収を上げたりしているのを見て、焦りを感じることもあるでしょう。
ただ、「このままでいいのか」と悩んだからといって、すぐに転職する必要はありません。
大切なのは、焦って答えを出すことではなく、まず自分が何に悩んでいるのかを整理することです。
この記事では、SEを続けるべきか迷ったときに考えたいことを、私自身の転職経験も交えながら紹介します。
「SEを続けていいのか」と悩むのは自然なこと
SEとして働いていると、次のような悩みを抱えることがあります。
- 残業や納期のプレッシャーがきつい
- 技術についていけるか不安
- 給料がなかなか上がらない
- 今の仕事に成長を感じられない
- 顧客や上司との調整に疲れた
- 将来も同じ働き方を続けるイメージが持てない
- 自分はSEに向いていないのではないかと感じる
こうした悩みを持つこと自体は、決しておかしいことではありません。
SEは、技術力だけでなく、顧客対応、チーム内の調整、進捗管理、トラブル対応など、多くの役割を求められる仕事です。
経験を積むほど責任が増え、求められる役割も変化します。そのため、ある時期に立ち止まり、今後の働き方やキャリアを考えるのは自然なことです。
私が「このままでいいのか」と悩んだとき
私も前職のSIerで働いていた頃、「このまま今の会社で働き続けてよいのか」と悩んでいました。
当時は、システムエンジニアとして約3年半働き、開発や顧客対応などの経験を積んでいました。
一方で、このまま同じ会社で働き続けた先に、どのようなキャリアがあるのかを具体的にイメージできず、不安を感じていました。
転職には興味がありましたが、
- 転職して今より環境が悪くならないか
- 新しい会社で自分の経験が通用するのか
- 今の会社を辞めて後悔しないか
といった不安もありました。
そのため、最初から会社を辞めると決めたわけではありません。
まずは、今の会社で何に悩んでいるのか、転職によって何を変えたいのか、これまでどのような経験を積んできたのかを整理しました。
そのうえで求人を調べ、少しずつ転職活動を進め、現在の会社へ転職しました。
実際に転職して感じたのは、同じSEでも、会社やプロジェクトによって仕事内容や働き方、求められる役割が大きく異なるということです。
今の仕事がつらいからといって、必ずしもSEという仕事そのものが合わないとは限りません。
まずは、何に悩んでいるのかを分けて考えることが大切です。
まずは「何がつらいのか」を分けて考える
「SEを辞めたい」と感じていても、本当にSEという仕事そのものが嫌なのかは、一度分けて考える必要があります。
悩みの原因は、大きく分けると次のようなものがあります。
会社が合わない
会社の評価制度、給与、社風、働き方などに不満があるケースです。
この場合は、SEを辞めなくても、会社を変えることで悩みが解決する可能性があります。
同じSEでも、会社によって働き方は大きく異なります。
同じSEでも、会社によって環境はさまざまです。残業が少ない会社、柔軟な働き方ができる会社、技術力を評価する会社、マネジメント以外のキャリアを選べる会社もあります。
プロジェクトが合わない
担当しているプロジェクトの業務内容や進め方が合わず、SEの仕事そのものが嫌になっている場合もあります。
長時間労働が続くプロジェクトや、トラブルが多い現場では、誰でも疲れてしまいます。
別のプロジェクトへ異動することで状況が変わる可能性があるなら、まずは上司に相談する方法もあります。
人間関係がつらい
上司、顧客、チームメンバーとの関係が原因で、仕事がつらくなっているケースです。
SEは人と関わる場面が多いため、人間関係の影響を受けやすい仕事でもあります。
ただし、人間関係の問題と、SEという職種が合わないことは別です。
職場やプロジェクトを変えることで、同じSEでも働きやすくなることがあります。
業務内容が合わない
開発が好きなのに調整業務ばかりだったり、人と話すことが得意なのに一人で行う作業が中心だったりすると、仕事に違和感を持ちやすくなります。
SEやIT業界には、さまざまな仕事があります。
- アプリケーションエンジニア
- インフラ・クラウドエンジニア
- 社内SE
- プロジェクトマネージャー
- ITコンサルタント
- プリセールス
今の業務が合わないだけで、別の分野なら自分の強みを活かせる可能性もあります。
SEという仕事そのものが合わない
技術への関心が持てない、トラブル対応が苦痛、パソコンに向かう仕事を続けたくないなど、SEという職種そのものに違和感がある場合もあります。
その場合は、異業種への転職も選択肢になります。
ただし、SEとして身につけた経験は、他の仕事でも活かせます。
- 問題を整理する力
- 相手の要望を聞く力
- 計画を立てる力
- 関係者と調整する力
- 課題に対応する力
こうした力は、多くの職種で役立ちます。
SEを続けるか迷ったときに整理したい5つのこと
ここからは、実際に自分の考えを整理してみましょう。
1.今の仕事で何がつらいのか
まずは、今の仕事で不満に感じていることを書き出します。
例えば、次のような内容です。
- 残業が多い
- 給与や待遇に強い不満がある
- 評価されない
- 人間関係が悪い
- 希望する業務ができない
- 将来のキャリアが見えない
- 技術についていけない
- 責任が重い
「なんとなくつらい」という状態でも、書き出すことで悩みの正体が見えやすくなります。
2.何が変われば続けられるのか
次に、何が変われば今の仕事を続けられそうかを考えます。
- 残業が減れば続けられる
- 給料が上がれば続けられる
- プロジェクトが変われば続けられる
- 柔軟な働き方ができれば続けられる
- 開発業務に戻れれば続けられる
- マネジメント以外の道を選べれば続けられる
条件が変われば続けられるのであれば、SEを辞める必要はないかもしれません。
3.今の会社で解決できるのか
悩みが分かったら、今の会社で改善できるかを考えます。
- 上司に相談する
- 部署異動を希望する
- プロジェクト変更を相談する
- 担当業務を見直してもらう
- 働き方について相談する
転職する前に、今の会社の中で改善できることもあります。
一方で、何度相談しても改善されない場合や、会社の制度そのものに問題がある場合は、転職を検討する理由になります。
4.これまで身につけた経験や強みは何か
転職を考えるときは、自分に足りないものばかりに目が向きがちです。
しかし、SEとして働いてきた中で、すでに多くの経験を積んでいるはずです。
- 顧客の要望を聞いて整理した経験
- システムの設計や開発経験
- チームで仕事を進めた経験
- スケジュールや課題を管理した経験
- 障害やトラブルに対応した経験
- 後輩を支援・指導した経験
- 関係者と調整した経験
自分にとって当たり前になっている経験でも、転職時の評価材料になることがあります。
技術力だけでなく、仕事を進める力や人と関わる力も、SEの大きな強みです。
5.次の職場で譲れない条件は何か
転職を考える場合は、次の職場に求める条件を明確にします。
例えば、次のような条件です。
- 年収
- 残業時間
- 勤務地
- リモートワークの有無
- 業務内容
- 使用する技術
- 会社の安定性
- 教育制度
- キャリアアップのしやすさ
- 家庭との両立
すべての条件を満たす会社を探すのは難しいため、優先順位をつけることが大切です。
「絶対に譲れない条件」と「できれば満たしたい条件」に分けると、求人を選びやすくなります。
SEを続けるメリットも考えてみる
辞めたい気持ちが強いときは、今の仕事の悪い部分ばかりが見えてしまいます。
一方で、SEを続けることには、次のようなメリットもあります。
経験を積み上げやすい
SEとして経験した業務内容や役割は、転職時の評価材料になることがあります。
設計、開発、顧客対応、リーダー業務など、経験を積むことで選べる仕事が増える可能性があります。
働き方の選択肢を広げやすい
企業や職種によっては、リモートワークやフレックスタイムを利用できる場合があります。
経験やスキルによっては、副業やフリーランスといった働き方も選択肢になります。
他の職種にも経験を活かせる
SEとしての経験をもとに、社内SE、ITコンサルタント、プロジェクトマネージャー、営業、企画職などへ進む道もあります。
SEを続けることは、同じ仕事を一生続けることではありません。
これまでの経験を土台にして、少しずつ役割を変えていくこともできます。
転職を考えたほうがよいケース
すぐに転職する必要はありませんが、次のような状態が続いている場合は、環境を変えることを検討してもよいでしょう。
- 長時間労働が続いている
- 心身の不調が出ている
- ハラスメントがある
- 何度相談しても状況が改善しない
- 将来につながる経験が積めない
- 給与や待遇に強い不満がある
- 会社の将来性に大きな不安がある
- 家庭や生活との両立が難しい
特に、心身に影響が出ている場合は、キャリアよりも自分の健康を優先することが大切です。
一人で抱え込まず、家族、会社の相談窓口、医療機関などへ相談することも検討してください。
我慢し続けることだけが正解ではありません。
すぐに「辞める・続ける」を決めなくていい
悩んでいると、早く結論を出したくなることがあります。
しかし、疲れているときや大きなトラブルの直後に、今後のキャリアを決める必要はありません。
まずは、次のような選択肢を並べてみましょう。
- 今の仕事を続ける
- 社内で異動する
- 別の会社でSEを続ける
- 別のIT職種に移る
- 異業種に転職する
「今の会社に残るか、すぐに辞めるか」の二択にすると、判断が苦しくなります。
選択肢を増やすことで、自分に合った道を考えやすくなります。
また、転職活動を始めたからといって、必ず転職しなければならないわけではありません。
最初から応募や面接をする必要もありません。
まずは、次のような小さな行動から始められます。
- 求人サイトを見てみる
- 気になる企業を保存する
- 自分の経歴を書き出す
- 転職理由を整理する
- 希望する働き方を考える
- 転職サービスで求人を確認する
- 必要なスキルを調べる
情報収集をするだけでも、自分がどのような会社へ転職できそうか、今の会社にはどのような良さがあるのかが見えやすくなります。
調べた結果、今の会社に残ると決めても問題ありません。
- 今の会社で経験を積む
- 資格を取得する
- 異動を目指す
- 数年後に転職する
- 家庭を優先して今は安定を選ぶ
タイミングは人それぞれです。
周りが転職しているからといって、自分もすぐに転職する必要はありません。
大切なのは、周りに合わせることではなく、自分が納得できる選択をすることです。
まとめ
「このままSEを続けていいのか」と悩んだときは、すぐに答えを出す必要はありません。
まずは、次のことを整理してみましょう。
- 今の仕事で何がつらいのか
- 何が変われば続けられるのか
- 今の会社で改善できるのか
- 自分にはどのような経験や強みがあるのか
- 次の職場で何を大切にしたいのか
SEを辞めたいと思っていても、会社やプロジェクト、担当業務を変えることで解決する場合があります。
一方で、今の環境に居続けることで心身が消耗しているのであれば、環境を変えることも大切です。
転職活動を始めることと、実際に転職することは別です。
まずは求人を見たり、自分の経験を整理したりするところから、小さく始めてみましょう。
「このままでいいのか」と悩むことは、悪いことではありません。
その悩みは、自分に合った働き方やキャリアを考えるための、最初のきっかけになります。
